熊谷直実ゆかりの「鎧掛けの松」枯死 京都金戒光明寺

 京都市左京区の浄土宗の大本山、金戒光明寺で平安~鎌倉時代の武将、熊谷直実(1141~1207年)ゆかりの「鎧掛けの松」として知られるクロマツが枯死した。同寺によると、樹齢200年以上とみられ、枯死の詳しい原因は不明。寺では2014年3月ごろまでに境内の別のクロマツを同じ場所に移植する予定だ。「鎧掛けの松」は御影堂近くにあり、高さ6.6㍍、枝張り16.6㍍。今回枯死したクロマツは、寺伝などから「2代目」とされる。2003年、京都市が美観に優れた樹木を指定する「保存樹」に選ばれていた。
 熊谷直実は平安時代末期の源平争乱時、源氏方の武将として「一の谷の戦い」(1184年)などで活躍。若き平敦盛との一騎打ちが平家物語の題材となり、歌舞伎や能にも登場する。世の無常を感じて浄土宗の開祖、法然上人を訪ね、教えを聞いて出家した際、身につけていた鎧をクロマツに掛けたとの伝承がある。