和歌山「稲むらの火祭り」400人がたいまつ手に防災訓練

 和歌山県広川町で10月19日、江戸時代の1854年に安政南海地震で津波が押し寄せた際、収穫された稲のわらを積み上げた「稲むら」に火を放ち、村人を高台に誘導した浜口梧陵の史実を再現する「稲むらの火祭り」が行われた。祭りは将来予想される東南海・南海地震に備え、防災意識を高めようと2003年に始まった。当時の避難道となった町役場前から神社までの約2㌔を町民ら約400人がたいまつを持って移動。梧陵の子孫、浜口道男さん(70)らが稲むらに火を放つと、暗闇で住民を導く赤々とした炎が浮かび上がり、参加者は災害に備える気持ちを新たにしていた。