平城宮跡からウリやキイチゴなどの種8万粒見つかる

平城宮跡からウリやキイチゴなどの種8万粒見つかる
 奈良文化財研究所は7月2日、平城宮跡(奈良市)で役所が集中していた地区にあった8世紀の穴の跡から、ウリやキイチゴなど推定8万粒以上に及ぶ大量の種が見つかったと発表した。平城宮でこれほど多くの種が見つかるのは初めてで、役人の生ごみや糞便とみられる。奈良時代の役人の食生活を物語る貴重な資料といえそうだ。
 穴は1辺70㌢、深さ30㌢。採取したコンテナ4箱分(乾燥状態で約12㍑)の土を調査したところ、1箱から野菜や果物など約40種類の種実が約2万粒確認された。総数は4箱で8万粒を超えるとみられる。
 トイレットペーパー代わりの木片や、丸のみしにくいカキやアケビなどの種もあった。当時の記録にはないシソやイチジク属のイタビカズラも出土。平安時代の法令集「延喜式」に貢ぎ物として記されている珍しいムベ(アケビの一種)も見つかっている。